賃貸の退去前にやる片付けと原状回復の準備|千葉で慌てないための段取り

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退去日が決まったら、まずやるべきことは「片付け」ではなく「線引きの確認」です。原状回復の費用をどちらが負担するかは、民法の定めを土台に、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」と、お手元の賃貸借契約書の内容で決まります。ガイドライン自体に法的な拘束力はないため、最終的な判断は契約内容と物件の使用状況によります。そのうえで、荷物を減らす順番と粗大ごみの申込タイミングを逆算すれば、退去前の1か月は驚くほど落ち着いて進みます。この記事では、千葉県内で退去を控えた方に向けて、確認の順番と片付けの段取りを整理します。

退去が決まったら最初に確認する3つのこと

解約の連絡をした直後は「まず捨てなきゃ」と気持ちが焦りますが、先に手を動かすと後から戻れなくなります。順番としては、次の3つを確認してから片付けに入るのが安全です。

▶ ① 契約書の「原状回復」と「特約」の条項

賃貸借契約書には、退去時の原状回復について何をどこまで負担するかが書かれています。とくに「ハウスクリーニング代は借主負担」といった特約がある場合は、その内容が優先される可能性があります。国土交通省のガイドラインでも、強行法規に反しないものであれば特約を設けること自体は契約自由の原則から認められる、とされています。まずは契約書を開いて、原状回復の条項と特約の有無を読み返してください。

▶ ② 退去日・鍵の返却日・立ち会いの日程

「退去日」と「鍵の返却日」がずれている物件は少なくありません。荷物を運び出す日、掃除をする日、立ち会いの日を管理会社と早めにすり合わせておくと、当日になって「まだ物が残っている」という事態を防げます。

▶ ③ 粗大ごみの申し込み期限

自治体の粗大ごみ収集は、申し込んですぐ来てくれるものではありません。船橋市の場合、申し込みから収集日まで10日程度かかる場合があると案内されています。退去日から逆算して、真っ先に押さえておきたい予定です。

💡 ポイント:契約書が見当たらないときは、管理会社や仲介した不動産会社に写しをもらえないか相談してみましょう。「どこまでが自分の負担か」を知らないまま立ち会いを迎えるのが、いちばん不利な状態です。

原状回復はどこまでが借主の負担になるのか

出発点は民法が定める「原状回復義務」

そもそも借主の原状回復義務は、民法に定めがあります。民法第621条(賃借人の原状回復義務)の条文は次のとおりです。

「賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。以下この条において同じ。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。」

読みどころは丸括弧の中です。原状に復する義務の対象となる「損傷」から、通常の使用によって生じた損耗と、賃借物の経年変化があらかじめ除かれています。さらにただし書きで、借主の責めに帰することができない事由による損傷も義務の対象外とされています。次に見る国土交通省のガイドラインは、この考え方を具体的な事例に落とし込んだものです。

ガイドラインが定める「原状回復」の意味

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」では、原状回復を次のように定義しています。

「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」

同ガイドラインは、原状回復とは「賃借人が借りた当時の状態に戻すものではない」ということを明確にしたうえで、この定義を置いています。つまり、住んでいれば当然に生じる傷みまで元通りにする義務はない、という民法と同じ立て付けになっています。

ただし、同じくらい大切なのがガイドライン自身の位置づけです。ガイドラインには「その使用を強制するものではなく、原状回復の内容、方法等については、最終的には契約内容、物件の使用の状況等によって、個別に判断、決定されるべきものである」と明記されています。あくまでトラブルの未然防止のための一般的な基準であり、法的な拘束力を持つものではありません。

注意:この記事の内容は一般的な考え方の紹介です。「これは貸主負担のはずだ」と断定せず、実際の負担については必ず賃貸借契約書の記載を確認し、管理会社・オーナーとお話しください。判断に迷うときは、お住まいの自治体の消費生活センターなどの相談窓口も利用できます。

貸主負担と借主負担の分かれ目

ガイドラインは、損耗を「賃借人が通常の住まい方、使い方をしていても発生すると考えられるもの」と「賃借人の住まい方、使い方次第で発生したりしなかったりすると考えられるもの」に分けて考えます。前者は賃貸借契約期間中の賃料でカバーされてきたはずのものとして貸主負担、後者は借主に原状回復義務が発生する、という整理です。同ガイドラインの別表3にある「賃貸人・賃借人の修繕分担表」から、代表的な例を抜き出すと次のようになります。

場所 貸主(賃貸人)の負担とされる例 借主(賃借人)の負担とされる例
床(畳・フローリング・カーペットなど) 家具の設置による床・カーペットのへこみ、設置跡/フローリングのワックスがけ/日照や雨漏りによる畳の変色 引越作業等で生じた引っかきキズ/冷蔵庫下のサビ跡(サビを放置し、床に汚損等の損害を与えた場合)/こぼした後の手入れ不足によるカーペットのシミ・カビ
壁・天井(クロスなど) テレビ・冷蔵庫等の後部壁面の黒ずみ(いわゆる電気ヤケ)/壁に貼ったポスターや絵画の跡/画鋲・ピン等の穴(下地ボードの張替えが不要な程度のもの)/日照などによるクロスの変色 日常の清掃を怠ったための台所の油汚れ/結露を放置したことで拡大したカビ・シミ/タバコ等のヤニ・臭い/重量物をかけるためにあけたくぎ穴・ネジ穴(下地ボードの張替えが必要な程度のもの)
設備・その他 通常の清掃を実施している場合の、専門業者による全体のハウスクリーニング/機器の寿命による設備の故障・使用不能/破損や鍵紛失のない場合の鍵の取替え 清掃・手入れを怠った結果生じたガスコンロ置き場や換気扇の油汚れ・すす/風呂・トイレ・洗面台の水垢、カビ等/鍵の紛失または破損による取替え/戸建賃貸住宅の庭に生い茂った雑草

出典:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」別表3(契約書に添付する原状回復の条件に関する様式)の「1 賃貸人・賃借人の修繕分担表」(2026年9月確認)。同表は概要であり、個別の判断は契約内容と物件の使用状況によります。

この表を眺めると、退去前の片付けで気をつけるべき点が見えてきます。「引越作業等で生じた引っかきキズ」が借主負担側に並んでいるという点です。家具を引きずって運び出した最後の1日で、それまで大事に使ってきた部屋に傷をつけてしまうのは、いちばんもったいないパターンといえます。

住んだ年数で負担が変わる「経過年数」の考え方

仮に借主負担と判断される損耗があったとしても、修繕費の全額を負担するとは限りません。ガイドラインは、建物や設備の経過年数を考慮し、年数が多いほど借主の負担割合を減少させる考え方を採用しています。壁のクロスやカーペット、クッションフロアであれば「6年で残存価値1円となるような負担割合を算定する」とされています。

対象 経過年数等の考慮
壁(クロス)/カーペット/クッションフロア 6年で残存価値1円となるような負担割合を算定する
襖・障子等の建具部分、柱 経過年数は考慮しない
鍵の返却(紛失した場合) 経過年数は考慮しない。交換費用相当分を借主負担とし、紛失の場合はシリンダーの交換も含む
通常の清掃 経過年数は考慮しない。借主負担となるのは通常の清掃を実施していない場合で、部位もしくは住戸全体の清掃費用相当分

出典:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」別表3(契約書に添付する原状回復の条件に関する様式)の「2 賃借人の負担単位」(2026年9月確認)

なお、経過年数を超えた設備等であっても、賃借人は善良な管理者として注意を払って使用する義務を負っていることに変わりはない、ともガイドラインは述べています。「6年経ったから何をしてもいい」という話ではない点は押さえておきましょう。

退去前の片付けは「捨てる」より「出す段取り」

線引きが見えたら、いよいよ片付けです。ここでつまずく方の多くは、物を選ぶ作業ではなく「選んだ物を家の外に出す作業」で止まっています。退去日は動かせないので、出し口の数と日程から逆算しましょう。

▶ 船橋市の粗大ごみは「点数」と「間隔」に上限がある

船橋市の粗大ごみは事前申込制で、受付は1世帯1回5点まで、次の申し込みは申込日から7日後にできると案内されています。収集の場合の手数料は、品目により370円・740円・1,110円・1,480円の4段階です。「1回5点まで」「次は7日後」「収集日まで10日程度」の3つを掛け合わせると、量が多い場合は市の収集だけでは間に合わないことがすぐ分かります。

▶ 引っ越しで多量に出るごみは市では収集されない

船橋市は「一時多量排出ごみ」として、引っ越し・大掃除などで多量に出るごみは収集できないと明記しており、自分で清掃工場に運ぶか、ごみ処理許可業者(有料)に依頼するよう案内しています。清掃工場へ持ち込む場合、受け入れ場所はごみの種類で分かれており、北部清掃工場は可燃ごみと粗大ごみ、南部清掃工場は可燃ごみのみ、西浦資源リサイクル施設は不燃ごみと粗大ごみとなっています。「清掃工場に持って行けばいい」と一括りにせず、出す物に合わせて行き先を確認してください。

注意:ここで挙げたのは船橋市のルールです。千葉県内でも市区町村ごとに申込方法・点数の上限・手数料・持ち込み先は異なります。お住まいの自治体の案内を必ず確認してください。

▶ 退去日から逆算した、片付けの並べ方

時期 やること
1か月前 契約書の原状回復条項と特約を確認。大型の家具・家電で手放す物を決め、粗大ごみの1回目を申し込む
3週間前 粗大ごみの2回目を申し込む。市の収集で足りない量なら、この時点で持ち込みか許可業者かを決める
2週間前 衣類・書類・小物を仕分け。家具を動かして、裏側の壁や床の状態を先に見ておく
1週間前 水回りとコンロ周りの掃除。ここは「清掃・手入れを怠った結果」とされやすい箇所なので優先度が高い
前日〜当日 残った荷物の搬出。床と壁を養生してから運び出す。空になった状態で写真を撮る

退去費用はどのくらいかかるのか

気になるのは金額でしょう。ただし退去費用は、間取り・使用状況・契約内容で大きく変わるうえ、情報源によって示される幅がかなり違います。ここでは平均せず、出どころごとに分けて並べます。

項目 示されている金額 数字の出どころ
ハウスクリーニング(ワンルーム・1K) 15,000〜30,000円 不動産情報サイトの原状回復解説ページ(間取り別の目安。1DK・1LDKは20,000〜40,000円、2DK・2LDKは30,000〜50,000円と併記)
壁・天井のクロス張り替え 30,000〜40,000円程度 同じ解説ページ(1㎡あたり1,000〜1,500円が目安と併記)
水垢・カビのクリーニング 5,000〜20,000円程度 同じ解説ページ(キッチンの汚れのクリーニングは15,000〜25,000円程度と併記)
退去費用の総額 20,000〜90,000円程度 不動産仲介会社のコラム(部屋の広さによって異なるとしたうえでの相場)
退去費用の総額 50,000〜90,000円程度 クレジットカード会社の生活情報メディア(部屋の汚れ具合次第では高額になる可能性ありと併記)

※いずれも2026年9月時点で各サイトに掲載されていた目安を、出どころを分けて記載したものです。便利屋ファーストの料金ではありません。同じ「退去費用の相場」でも情報源により幅が異なるため、平均せずそのまま並べています。

数字に幅があるのは、退去費用が「部屋の状態」と「契約内容」の掛け算だからです。逆にいえば、借主が動かせるのは「部屋の状態」と「記録」の2つということになります。

立ち会い当日に効くのは「写真」と「チェックリスト」

ガイドラインは、トラブルの未然防止策として入居時と退去時にチェックリストを作り、当事者が立ち会いのうえ十分に確認することを挙げています。さらに「具体的な損耗の箇所や程度といった物件の状況を平面図に記入したり、写真を撮るなどのビジュアルな手段を併せて活用することも重要である」とし、こうしたチェックリストは後日トラブルとなり訴訟等に発展した場合でも証拠資料になりうる、と述べています。

💡 ポイント:撮っておくと後で効く写真

・家具を動かした直後の、壁と床(電気ヤケや家具のへこみは、何がそこにあったか分かるうちに)
・水回り、コンロ周り、換気扇を掃除したあとの状態
・鍵の本数がそろっていることが分かる1枚
・部屋が空になった状態の、各部屋の全景
※入居時の写真が残っていれば、退去時に同じ画角で撮り直すと比較しやすくなります。

立ち会いでは、指摘された箇所をその場ですべて受け入れなければならないわけではありません。「これは経年変化ではないか」「入居時からあった傷ではないか」と思う箇所は、その場で口に出して記録に残してもらいましょう。金額の提示は後日になることが多いので、内訳を書面でもらえるようお願いしておくと安心です。

便利屋ファーストが退去前にお手伝いできること

便利屋ファースト千葉店は、船橋市を拠点に千葉県全域と東京都内の一部で活動している便利屋です。退去前の場面では、次のようなご依頼を承っています。

お手伝いできること 対応していないこと
・不用品の仕分け・分別のお手伝い
・重い家具の移動、粗大ごみの搬出(家から集積所まで運び出す作業だけのご依頼も可)
・簡単な掃き掃除・拭き掃除
・片付け後の整理収納アドバイス
・立ち会いなしでの作業(事前にお知らせいただければ作業後の写真をお送りできます)
・現地訪問が難しい場合の、写真による概算お見積り
・クロスの張り替えや床の補修といった原状回復工事
・配線や水道の取り付け
・医療行為・介護行為
・高所作業、専門技術が必要な作業
・危険物や、法律で処分が制限されている物のお引き受け

部屋の片づけページでもお伝えしているとおり、無理な営業や追加料金の請求は一切ありません。壁や床を傷つけないよう養生してから作業しますので、最後の搬出で新たな傷をつけたくないという退去前のご依頼と相性のよいサービスです。損害保険にも加入しておりますので、万が一の際も安心してお任せください。

「大型の家具だけ運び出してほしい」「粗大ごみを集積所まで下ろすところだけ手伝ってほしい」といった一部分だけのご依頼も歓迎です。作業内容は部屋の片づけ荷物の運搬のページにまとめています。そのほかのご依頼はサービス一覧からご覧ください。

まとめ|順番を間違えなければ、退去は慌てずに済む

退去前にやることを整理すると、次の3つに集約されます。

契約書を読む:通常損耗と経年変化は民法上、原状回復義務の対象から除かれている。そのうえで原状回復の条項と特約を確認する(ガイドラインは一般的な基準であり、使用を強制するものではない)
出し口を先に押さえる:船橋市なら粗大ごみは1回5点・次は7日後・収集まで10日程度。量が多ければ市の収集では足りない
記録を残す:家具を動かした直後と、空になった後の写真を撮る

この3つを押さえておけば、立ち会い当日に判断材料がないまま話を聞くことにはなりません。そして片付けの物理的な部分――重い物を運ぶ、量が多くて手が回らない――は、外に任せていい部分です。千葉県内であれば、便利屋ファーストが一緒に段取りを組みます。まずはお気軽にご相談ください。

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