デジタル遺品の扱い方|故人のスマホ・パソコンの処分とサブスクの止め方

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家族が亡くなったあと、遺品の中からスマホやパソコンが出てきたら、まず「中身(データ・契約)」と「機器(モノ)」を分けて考えます。中身のうちサブスクなどの契約は、カードの明細や通帳から契約先を探し、遺族から連絡すれば解約に応じてもらえるケースが多くあります(ネット銀行などの資産は相続の手続きになり、時間がかかることもあります)。機器は、中身の確認が終わってからデータを消し、自治体の回収やメーカーの窓口へ出します。先に捨てたり初期化したりするのは避けましょう。

この記事では、国民生活センターの資料や船橋市のごみのルールをもとに、遺品整理でスマホ・パソコンが出てきたときの順番を整理します。便利屋ファースト千葉店は遺品整理の仕分けや搬出をお手伝いしていますが、データの解析やロックの解除、各サービスへのログインや解約の操作は行っていません。そのため、ご家族が進める部分と、専門家に任せる部分もあわせてお伝えします。

デジタル遺品とは|「中身」と「機器」を分けて考える

国民生活センターは2024年11月の報道発表資料で、デジタル遺品に明確な定義はないとしたうえで、「デジタル機器を通して確認できるデータやインターネットで契約したサービスのことを指し、パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器そのものは含まない」と整理しています。この記事でも、この整理にならって「中身」と「機器」を分けて考えます。

分けて考える 中身(データ・契約) 機器(モノ)
具体例 サブスク、ネット銀行・ネット証券の口座、コード決済の残高、暗号資産(仮想通貨)、写真・メール スマホ、パソコン、タブレット、USBメモリ・外付けハードディスク
急ぐかどうか 請求が続くものは、早めに洗い出す 急がない。中身の確認が終わってから
主な相談先 契約先の事業者/相続にかかわるものは専門家 自治体の回収、メーカー・販売店の窓口

▶ 順番は「中身が先、機器が後」
同じ資料は、デジタル遺品を確認するには「スマホやパソコンを確認することが最も重要」だとし、その理由を「ネット上の資産を管理するアプリや、契約内容の確認メール等が集約されているため」と説明しています。機器を先に手放すと、契約先を探す手がかりまで一緒に失いかねません。

最初にやること|捨てない・初期化しない・無理に開けない

▶ 捨てない・初期化しない
「もう使わないから」と処分品の箱に入れてしまうと、あとから取り戻せないことがあります。初期化すれば、中の手がかりも確かめられなくなります。まずは充電器と一緒に1か所にまとめ、処分品とは分けて保管しましょう。

▶ ロックは無理に開けようとしない
国民生活センターの資料には、携帯電話会社の店舗で画面ロックの解除を頼んだところ「初期化はできるが、画面ロックの解除はできない」と言われた相談事例が載っています。資料は、遺族がパスワードを知らない場合「ロックを解除することは非常に困難です」とも書いています。iPhoneやiPadについては、Appleのサポートページでも、パスコードでロックされた端末は、消去しない限りパスコードの解除を手伝えないと案内されています。Androidの端末は、メーカーごとの案内を確認してください。

一方で、端末の中とは別に、アカウント(クラウド)に保管されたデータについては、遺族がアクセスや削除を申請できる仕組みを用意している事業者もあります。たとえばAppleは、日本では死亡の記載がある戸籍謄本が必要になることがあり、裁判所命令などの書類を求める場合もあること、アクセスできるのは保管されている特定のデータに限られることを案内しています。国民生活センターは、AppleやGoogleに、亡くなったときにアカウントへアクセスできる人を生前に指定しておける仕組みがあることも紹介しています。申請の条件や必要書類は事業者ごとに違うため、各社の案内を確認してください。

▶ パスワードの手がかりを探す
手帳やエンディングノート、パソコンのそばのメモなどに、パスワードやサービス名が書き残されていることがあります。国民生活センターも、生前の備えとして、パスワードを紙に書いて修正テープで隠しておく方法や、エンディングノートの活用を紹介しています。遺品整理では、こうした紙類を処分品に混ぜないことが大切です。

ただし、iPhoneには、パスコードの入力に10回続けて失敗するとデータを消去する設定があります(Appleの案内)。故人がこの設定をオンにしていた場合、思い当たる番号を何度も試すうちに、中身がすべて消えてしまうおそれがあります。見つかったメモは、まず契約先を探す手がかりとして使い、端末に何度も入力して試すのは避けましょう。また、見つかったIDやパスワードで故人になりすましてサービスにログインし、操作することは、利用規約で認められていない場合があります。解約や払い戻しは、各社の案内に沿って遺族として手続きしましょう。

⚠ 注意|相続にかかわる遺品は、処分を急がない

民法第921条は、「相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき」は単純承認(借金なども含めて、亡くなった方の権利や義務をすべて引き継ぐこと)をしたものとみなすと定めています(保存行為などは除かれます)。相続を承認するか放棄するかを選ぶ期間は、民法第915条で「自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内」とされています。この期間は家庭裁判所に申し立てて延ばしてもらえる場合がありますが、期間内に限定承認(相続で得た財産の範囲でだけ借金などを返す承認)も相続放棄もしなければ、単純承認をしたものとみなされます(民法第921条第2号)。借金などがあって相続放棄を考えている場合は、スマホやパソコンを含む遺品を売ったり捨てたり、初期化してデータを消したりする前に、司法書士・弁護士などの専門家に相談してください。どこまでが「処分」にあたるかは、個別の判断になります。故人が一人暮らしの賃貸住宅で、明け渡しを急かされている場合も、部屋の片付けや賃貸借契約の解約を進める前に専門家に相談してください。相続放棄をしたあとも、手元にある遺品は、ほかの相続人などに引き渡すまで保存しなければならず(民法第940条)、遺品を隠したり勝手に使ったりすると、単純承認をしたものとみなされることがあります(民法第921条第3号)。

相続人が複数いる場合、相続財産は相続人の共有に属するとされています(民法第898条)。スマホやパソコンの処分や初期化は、ほかの相続人とも話し合ってから進めましょう。また、遺言執行者がいる場合、相続人は相続財産の処分など遺言の執行を妨げる行為をすることができないと定められています(民法第1013条)。遺言執行者がいるときは、遺品に手をつける前に遺言執行者に確認してください。

サブスク・ネット契約の見つけ方と止め方

国民生活センターは、サブスク(決まった料金を定期的に支払って、一定期間、商品やサービスを利用する契約)について、「契約者本人が亡くなったとしても、解約手続きを行わない限り、請求が続きます」と注意を促しています。さらに「事業者はその事実を知る手段がありません」として、相続人となる遺族などが解約手続きを行う必要があると書いています。遺族から連絡しない限り止まらないと考えておくのが安全です。

▶ 契約先の手がかりはここにある
スマホが開けなくても、ほかの手がかりから契約先をたどれることは少なくありません。

手がかり 見るところ ひと言
クレジットカードの利用明細 毎月・毎年、同じ金額の請求 請求元の名前で分からないときは、カード会社に問い合わせる
携帯電話の請求書 通話料以外の決済の利用分 携帯電話会社に相談すると、請求元が分かることがある
通帳・ネット銀行の入出金 定期的な引き落とし・振り込み 引き落とし先から、別の口座や証券口座が見つかることもある
メール・郵便物 申込み完了・更新の案内、年会費の通知 オンラインの契約は、書面ではなくメールで届いていることがある
手帳・メモ・エンディングノート サービス名、ID、パスワードのヒント 遺品整理のときに処分品へ混ぜない

国民生活センターの相談事例には、クレジットカードの明細に約1,000円の見覚えのない請求があり、カード会社、携帯電話会社と順にたどって、ようやく請求元が分かったというケースがあります。明細は1か月分だけでなく、年払いのものも拾えるよう1年分さかのぼって見ると漏れが減ります。

▶ IDやパスワードが分からなくても、まず連絡を
同じ資料は「契約先事業者が特定できれば、遺族から連絡することで、解約等に応じてもらえるケースが多くみられます」としています。ただし、事例の中には「IDとパスワードがわからなければ、すぐには解約できない」と言われたものもあり、手続きの方法や必要な書類は契約先によって違います。契約先の案内を確認し、分からなければ事業者の窓口に問い合わせるのが基本です。

▶ ネット銀行・ネット証券・コード決済は相続の対象になりうる
民法第896条は「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する」と定めています(被相続人の一身に専属したものを除く)。ネット銀行の預金やネット証券の口座、コード決済の残高も、財産であれば相続手続きの対象になりえます。国民生活センターは、実店舗のない事業者では郵送での書類のやり取りなどで手続きに時間がかかることがあるとしており、1か月たっても残高の回答すらなかったという相談事例も紹介しています。株の取引をしていたか分からない場合は、証券保管振替機構(ほふり)に開示請求(有料)をすると、証券口座の開設先を調べられるとも案内しています。暗号資産(仮想通貨)の取引をしていた場合も、関係するメモや機器は処分せずに保管し、交換業者に相続の手続きを問い合わせましょう。

相続の進め方や分け方については、この記事では立ち入りません。司法書士・弁護士・税理士など、専門家への相談をおすすめします。相続放棄を考えている場合は、サブスクの解約やネット銀行・ネット証券・コード決済の手続きも含めて、先に専門家に相談してください。

スマホ・パソコン本体の手放し方|データを消してから

▶ 貸与・レンタルの端末や仕事用のパソコンは、処分の前に確認を
勤務先から貸与されていたスマホ・パソコンや、レンタル・リースの機器、返却の約束がある端末は、遺品として処分する前に勤務先や契約先に確認してください。故人が個人事業主だった場合は、パソコンなどに帳簿や取引先とのやり取りが残っていることがあります。年の途中で亡くなった人の所得税の申告(準確定申告)が必要な場合、期限は相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内とされているので(国税庁)、税理士などに相談するまでデータは消さずに保管しましょう。

▶ 残すデータを家族(相続人)で決める
写真や動画、メールなど、残したいものがあれば先に取り出してから手放します。ただし、ロックを解除できない端末は、データを取り出せないこともあります。

▶ パソコンは「初期化したから大丈夫」とは限らない
パソコンのリサイクルに取り組む一般社団法人パソコン3R推進協会は、ごみ箱を空にする・初期化する・付属のリカバリーCDで工場出荷状態に戻すといった操作では、「実際はデータが見えなくなっているだけの場合があります」と説明しています。そのうえで、ハードディスクの全データを「ユーザーの責任において消去することが非常に重要です」とし、専用ソフトやサービスの利用、物理的・磁気的な破壊をすすめています。なお、自分でハードディスクを取り出してハンマーなどでたたき壊すのは、けがの危険があるとしてやめるよう呼びかけています。船橋市も、パソコンを出すときは「ハードディスク等のデータ管理はご自分の責任にてお取り扱い下さい」と案内しています。パソコンのデータ消去は、パソコンのメーカーや販売店、サポート業者の窓口にも相談できます。

スマホは事情が少し違います。iPhoneやiPadについてAppleは、「すべてのコンテンツと設定を消去」を行うと、写真や連絡先などデバイス上のデータが完全に消去されると案内しています(iCloudに保存してあるデータは消えません)。Androidの端末や携帯電話(いわゆるガラケー)は、メーカーや携帯電話会社の案内に沿って初期化してください。メモリーカード(microSDなど)が差してある場合は、先に抜いて中身を確かめ、手放すときは別に消去しましょう。

▶ 船橋市での出し方
船橋市の場合、スマホやパソコンは次のように案内されています。

機器 船橋市の案内 気をつけること
スマホ・携帯電話・タブレット 市役所・公民館などの小型家電回収ボックス(投入口15cm×30cmに入るもの)。ボックスを使わない場合は、販売店か西浦資源リサイクル施設へ 個人情報を消去してから入れる。電池が取り外せるものは外してから。一度入れると取り出せない
ノート型パソコン 投入口に入るものは小型家電回収ボックスでも回収。ほかにメーカーやパソコン3R推進協会への相談、宅配便による回収も データを消去してから。電池が取り外せるものは外してから
パソコン全般 家庭用パソコンはメーカーのリサイクル受付窓口に申し込む。自作パソコンやメーカーの倒産などで回収窓口のないパソコンは、パソコン3R推進協会が窓口(料金は別途) 2003年10月以降に販売された家庭用パソコンで「PCリサイクルマーク」の付いたものは、廃棄時に新たな料金がかからない(メーカーが倒産している場合などは除く)
USBメモリ・外付けハードディスク・メモリーカード 小型家電回収ボックスの回収対象品目 データを消去してから

また船橋市は、パソコン・小型家電の宅配便回収を行う認定事業者と連携協定を結んでいて、回収品にパソコンかタブレットが含まれていれば1箱分の回収料金が無料になると案内しています(3辺の合計140cm以内・20kg以下。ブラウン管モニターは別途費用)。公民館の回収ボックスは改修工事で休止している施設もあるので、出かける前に市のページで確認してください。千葉県内でも、回収の方法は市町村ごとに違います。船橋市以外の方は、お住まいの自治体の案内を確認してください。

ロックが解除できず、自分で消去できないスマホ・携帯電話は、回収ボックスに入れず、携帯電話会社のショップに相談しましょう。携帯電話会社などでつくるモバイル・リサイクル・ネットワークは、各ショップで初期化の操作を手伝い、持ち込まれた端末は専用の穴あけ機で物理的に破壊したり、鍵のかかる保管箱に入れたりしていると案内しています。自分でたたき壊すのはやめましょう。

電池が取り外せる機器から外した充電式電池は、船橋市では端子部分にテープを貼って絶縁し、透明な袋に入れて「充電式電池」と書き、不燃ごみの日にごみ収集ステーションの端に置きます。膨らんだ電池はステーションに出さず、西浦資源リサイクル施設へ持ち込みます。

遺品整理でスマホ・パソコンが出てきたら|便利屋ファーストにできること

便利屋ファースト千葉店の遺品整理では、「思い出の品、貴重品、処分品を一つひとつ丁寧に仕分け」し、お客様に確認をとりながら進めます。処分すべきか迷うものは、すぐに廃棄せずにご相談しながら確認します。スマホやパソコン、手帳、郵便物など残しておきたいものは、作業前にお知らせいただければ処分品と分けておきます

お手伝いできること 行っていないこと(ご家族・専門家へ)
遺品の仕分け(迷うものはすぐに捨てずにご確認) スマホ・パソコンのロック(パスワード)の解除
通帳・契約書・印鑑など、紛失すると困るものの捜索と、見つかったときのご報告 データの解析
家具・家電・生活雑貨の搬出と、処分のご相談 各サービスへのログインや解約などのアカウント操作
立ち会いなしでの作業(鍵のお預かり、写真や報告書でのご報告) 相続の手続きや、相続財産にあたるかどうかの判断

パソコンやスマホそのものの搬出・処分をご依頼いただく場合は、中のデータをどうするか、先にご家族で決めておいてください。遠方にお住まいで立ち会えない場合も、鍵のお預かりでの作業や報告書の郵送に対応しています。お葬式のあと早めに整理を進めたい場合は、即日対応・土日祝の対応もご相談ください(相続放棄をお考えの場合は、作業の前に専門家に相談してください)。

遺品整理の流れや、ご供養・お焚き上げについては遺品整理のページにまとめています。お部屋全体を片付けたい場合は部屋の片づけのページをご覧ください。部屋の片づけでは、現地に伺うのが難しい場合、写真を送っていただくだけでも概算のお見積りが可能です。そのほかのご依頼はサービス一覧からご確認いただけます。

まとめ|デジタル遺品は「中身が先、機器が後」

💡 ポイント

中身と機器を分ける:国民生活センターの整理でも、デジタル遺品は機器そのものではなく中のデータや契約
捨てない・初期化しない:機器は、中身の確認が終わるまで処分品と分けて保管
請求は遺族から連絡して止める:カード明細・携帯電話の請求書・通帳から契約先を探して連絡
データを消してから手放す:パソコンは初期化だけでは消えきらないことがある。船橋市は小型家電回収ボックスやメーカーの窓口へ
相続がからむものは急がない:相続放棄を考えている、相続人が複数いる、遺言執行者がいる場合は、処分や初期化の前に確認・相談

スマホやパソコンの扱いに迷っているうちは、ほかの遺品の整理まで手が止まってしまいがちです。「機器はいったん脇に置いて、先に部屋を片付けたい」「遠方で通えない」――そんなときは、便利屋ファースト千葉店にご相談ください。

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